雑記日記

概ね無職。

2021/03/12の日記

11時半に電話で起こされる。

 

その後昼食をとり、少々ゆっくりした後で小野不由美残穢』に取りかかる。

 

4時頃に一度中断し、夕食の準備。今日はジャンバラヤ

 

夕食後片付けをし、残りを読む。

 

数回休憩を挟みつつ、読了したのは12時前。いやぁ、面白かった。

詳細な書評をやろうと思うと結構書けると思うのだが、面倒くさいのでやらない。

ただ、本作は著者本人と思われる小説家の"私"や、その他実在の小説家が登場したりなど、メタフィクション・モキュメンタリー的要素がかなり強い。僕は真っ先に三津田信三を思い出したし、ストーリーの骨組みとしては似通っている部分もある。

その一方で、メタフィクションたらしめる描写そのものには大きな違いがある。三津田信三のような「圧倒的な筆力と質量感で怪異の表現・描写を掘り下げることにより、小説をメタたらしめる」メタホラーと、本作のように「やけにあっさりと描写することで(インターネット上で語られるような)『実話怪談』っぽさ、そういった『まことしやかさ』を醸し出し、逆説的に小説をメタたらしめる」メタホラーの違いとでも言えばいいのだろうか。

前者の方が娯楽小説として読んだときには面白い。何と言っても盛り上がり方が違う。しかし後者は淡々としている分、突き放されたような感覚がずっとつきまとうのだ。

この感覚がホラーを語る際に有用な小道具になり得ることは、インターネット上の怪談話が一人歩きする様からも覗える。その一方で、あまり「実話怪談」的なテキストに馴染みのない人には、ただ簡潔なだけに思われるのではないかと感じた。そこが少しもったいないような気がする。もう少し質量感のある描写があればどうだっただろうか?

面倒くさいのでやらないと言っておきながら長々書いてしまったが、本作は本当に怖い部類の小説だと思う。もし未読ならば、諸兄も是非手に取っていただきたい。

本作の姉妹編となる『鬼談百景』も探してみようと思う。こちらは実話怪談という触れ込みである。実話怪談といえば、平谷美樹『百物語』もかなり怖いのでオススメです。

 

風呂に入り、後は寝るだけという状態で今これを書いている。明日は何事もなければ本屋・古本屋に行ってみる予定。