2021/05/15、2021/05/16の日記
【15日の日記】
10時半頃起床。
昼食後、片付けを終えて、2時頃から借りてきた映画を観始める。
夕食休憩を挟みつつ、10時までかかって3本観る。
観た映画はこちら。観た順。
- 『クワイエット・プレイス』(Platinum Dunes/Sunday Night、2018年)
- 『ルームメイト』(コロンビア、1992年)
- 『ハッピー・デス・デイ』(Blumhouse Productions、2017年)
このうち『クワイエット・プレイス』がトホホな出来だった以外は佳作と良作だった。
それぞれのネタバレを含む感想を書いたので、せっかくだから書き留めておく。ネタバレされたくない人はターンアウェー。あらすじもしっかり書いたりはしないので、気になる人は観るか自分で調べるかしてね。
『クワイエット・プレイス』(2018年)
得点…47/100
『ドント・ブリーズ』の系譜を引く、いわゆる無音系ホラー。各所で割と絶賛されているが、ホラーとしてはかなりテレッケツのパァな出来。
冒頭の緊張感自体はなかなかいい。BGMらしいBGMもなく、とにかく徹底的に無音だ。
この時点で観客も「音を立ててはならない理由」が存在することくらいは察することが出来る。出来るんだよ。観客なめんな。
はっとさせられる演出もあり、つかみはOKといった感じだ。
しかしながら、「音が出るオモチャを分別の付かない年頃の子供に与える」というあまりにも定石通りな死亡フラグの立て方はいかがなものか。せっかく抜いた電池もすぐ横に置いちゃうから、子供が回収してしまうのだ。安直だ。安直すぎる。
あまりに定石通りの死亡フラグを立て終わり、オモチャが鳴り出して、いざ飛び出してきたのは出来の悪いモールデッド(©Biohazard7)みたいな形のモンスター。子供をメッタンメッタンのけっちょんけっちょんにする。子供は死ぬ。
音に反応する系クリーチャーの定石として、時折思い出したようにクリック音を立てている。うーん、アレだ。『Last Of Us』にそんなやついたな。頭がキノコになってるやつ。
盲目のはずなのだが、クリック音も立てずに森の中を元気にカサカサ走り回ったりするので、エコロケーションしている感はない。クリーチャーデザインの細かいところの詰めが甘く、ご都合主義が臭い始める。どうやら宇宙から来たらしいので、下賤な人間達が考える理屈など通用しないのだろう。困ったら宇宙から何か来させればいいと思ってんだから、まったく…。
そもそも、この冒頭の死亡フラグの立て方もあからさますぎて、「敵の情報を提供するための挿話」感が強い。そういうところで開始10分でほぼ全ての伏線を明示した『ドント・ブリーズ』を踏襲しなくてもよい。
場面は1年後に移り、ここで一家の母親が妊娠していることが示されるが、音に反応するモンスターが跋扈している世界でのんきに子作りしてる場合ではないと思うのだが。避妊をしろ避妊を!
これでは「音が出せない状態で出産ってサスペンスでしょ~」という考えだけで設定を決めたと思われても仕方なかろう。居酒屋で酒飲みながら脚本書いたんか?
驚くなかれ、ここまででまだ15分ほどだ。既におなかいっぱいだが、今後もどんどん脱力感が増していく。
この後はありがちなサスペンスホラーとして話が進む。
一家には難聴の娘がいるが、「音に反応するモンスター vs 音の聞こえない人間」から当然想像されるサスペンスは一切含まれてなかった。本当に一切だよ。難聴の娘はただアイコンとして連れ出されたに過ぎない。(「ハンディキャップのある人がいて当たり前の世界なんだから、理由なくハンディキャップのある登場人物がいていい」という人達がいるが、こうやって「ハンディキャップがあるだけ」という登場人物や物語の作り方は、却ってハンディキャップのある人々を愚弄していると思うのだが。作中で普通の人間として扱わない以上、そこには「別物」として特別視する観念が確実に横たわっている。)
何とか無事に出産を終えて一安心する母親と父親。赤ん坊の泣き声は、地下室の入口をベッドマットで塞ぐだけで響かなくなったらしい。ご、ご都合主義…。最初からシェルターの壁にベッドマットを立てかけておけば防音室になったのでは?とか言ってはいけない。みんなベッドで寝たいんですよ。(尤も、何らかの防音策を整えているような描写はある。入口はベッドマットだけで塞いでるけど。)
一方その頃、真っ暗な中で孤立する姉(こちらが難聴の娘)と弟。
直前に父と喧嘩したため、「父はどうせ迎えに来ない」といじける姉、「そんなことない」と反論する弟…とまあこれだけだと深刻なシーンなのだが、観客に明示された父と娘のわだかまりが本当に「直前の喧嘩」だけのため、姉がどうしてそんなに悲観的なのかよく分からない。
そういうシーンが撮りたいならそこに至るまでの前振りをきちんとしておかないと、ただへそ曲がりがダダこねてるだけに見えますよ。マジで。
まあ、居酒屋で脚本書いてるような脚本家だからな…(そんなことはない)(たぶん)。
この手のホラーの定石として、必ずモンスターをぶちのめしてジ・エンドになるが、その方法が「娘の補聴器が宏観異常現象によって発振し、そのノイズを聞かされたモンスターが失神しちゃう」という、これまたトホホっぷり。
ご存じない方のために説明すると、ここで言う宏観異常現象というのは、UFOや幽霊が近くに来ると車のエンジンが止まったり、家が停電したり、家電が暴走したりするアレだ。一度くらい映画やドラマで観たことがあるのでは?
このモンスター達は、古式ゆかしくも宏観異常現象を引き起こすらしい。それが補聴器にも及んだという話だが、きょうび宏観異常現象て。
既に手垢が付きまくって、YouTubeの自主制作映画でもあまり見かけなくなった演出を、特にひねりもなく真正面からオチに持ってくる肝の据わり方には正直脱帽だ。新奇性のある、面白いものを作ろうという気概がまるで感じられない。
…本当に2018年製作?1988年の間違いじゃなくて?
どうもこの映画は「父と娘」の物語を重視しすぎたようで、完全に底が破れていてちゃんとホラーとして面白がれるように作られていない。かといって家族愛の物語と言うには、あまりに登場人物の感情の機微や表現を軽視し端折りすぎている。
そんなだからお父さん無駄死にするんだぞ。
褒められるところは冒頭だけ!残念でしたなあ。
『ルームメイト』(1992年)
得点…70/100
原作である『同居人求む』(ジョン・ラッツ)を読んだので、映画ではどうなってるのかなあと思って観てみた一作。
90分程度の尺に収めるためか、原作からの改変点、カットされた挿話もちらほら。
原作では殺されてしまう、上階に住む気のいい脚本家グラハムが死ななかったのはよかったが、それによってサスペンス感が薄れた部分はかなりある。
原作ではヘドラによってほぼ完全犯罪が成し遂げられかけていたが、映画版の脚本ではヘドラは周到というよりは激情型で、場当たり的に罪を重ねる。よって、原作にあった殆どホラー小説と見紛うばかりの「じわじわと外堀を埋められる恐怖」というものは、かなり低減してあっさりとしている。ミステリでいえば異常心理ものに近くなってしまったか。
謎解きパートはなく、最終的にはケレン味たっぷりの乱闘で劇終。まあ映画なので、これで十分だと思われる。
かなりあっさりとしてしまったとはいえ、原作の雰囲気は良く出ているし、ちょっと唐突ではあるものの物語に破綻らしい破綻はない。
あとはまあ…ブリジット・フォンダとジェニファー・ジェイソン・リーのおっぱいがたくさん出るのでおすすめです。濡れ場もあるよ。
『ハッピー・デス・デイ』(2017年)
得点…90/100
タイムループものホラーコメディ。
タイムループものはその構成上結構単調になってしまいがちだと思うが、脚本が軽妙でカメラアングルも変化するため意外なほど飽きない。
主人公の女子大生トリーは尻軽で高飛車という、いかにもなクインビータイプ。
事もあろうに誕生日に殺されてしまうのだが、目が覚めるとまた同じ日を繰り返して…という死に戻りRTA。
コメディタッチでありながら、容疑者を候補者リストから絞り込んでいく過程やその死に様も多種多様に描かれ、スラッシャームービーとして評価できる程度には面白い(実際に死ぬのはほぼトリーだけだが)。
オチにもちゃんと気が配られており、十分に意外性がある。
スラッシャームービーや、B級・C級ホラーを結構観ているとニヤリと出来るオマージュシーンもあって楽しい。
こればっかりはとにかく観てほしい。確実に面白いから。
あとはまあ…タイムループに嵌まった女の子がやることといったら、やっぱりすっぽんぽんで出歩くことだよね。近年の作なのでかなりソフトだが、そういうサービスシーンも勿論あります。
なんだかこき下ろすほうが筆が乗っててよくないですね。
その後はtwitterで少し遊び、1時頃就寝。
【16日の日記】
10時過ぎ起床。
12時頃に昼食をとり、その後買い物へ。
帰宅したのは3時頃。ゴロゴロしている間に寝落ち。
起き出したのは7時頃。夕食をとり、片付けをして、また買い物へ。
帰宅したのは9時半頃。そこから麻雀を始める。
麻雀って異様に時間が溶けるので、気がつけば1時半。
そこから風呂に入り、今これを書いているのだが…いつの間にか完全に空が白んでいる…。
本日のBGM…the pillows - ハイブリッドレインボウ