雑記日記

概ね無職。

お知らせ

唐突だが本サイトは移転した。 暫定ではあるが移転先はこちらである。 itsonlyapaper-moon.blogspot.com 詳しい経緯も書いてある記事にリンクを張るので、各位参照されたい。ここで論っている問題が解決するようなことがあればこちらでの更新を再開すること…

2分の1忘れちゃってんだ

チーズケーキを焼いたのである。 何を隠そう、私はそこそこ菓子作りが好きなのだ。簡単なケーキや焼き菓子などをちまちまと作っては食べている。これで本当に脇目も振らずハマりこんでしまえば私のクオリティ・オブ・ライフも些か向上するだろうが、それほど…

11月20日

11月20日である。 この日が何の日かというと、そうイタリア王妃マルゲリータ・ディ・サヴォイア=ジェノヴァの誕生日である。ちなみに本邦では、その名を冠した料理であるところのピッツァ・マルゲリータと関連付けてピザの日とされている。 以上は年に一度あ…

石橋を渡る冒険主義

基本に立ち返る。いい言葉である。 我々はついつい基本をおろそかにして、痛い目に遭うのである。いわんや、私や諸兄らという荒涼たる砂漠の上に何かしらを立てようと思うのであれば、真っ先にやるべきことは基礎固めだ。エジプトはギザの大ピラミッドもサハ…

汝深淵を覗く者は

この度、私は生まれて初めて「金縛り」というものを経験したのである。 金縛りというと、アレである。あの、眠っている内に気付けば体が動かなくなっていて、大抵足元から何かがやって来て足首を掴んだり、大胆にも胸に乗っかったりしてくるアレである。 私…

無敵のギター弾く人(または、腐敗卵)

突然だが、私は自分のことをあまり美化しない。 こう書いてしまうと、諸兄らはきっと首を捻ることだろう。「自分を美化しない」と言い切る手合いは、大抵「自分が定義する自分」と「実像の自分」との間にあるギャップに気付けないほどの大馬鹿野郎であること…

台所の宇宙

今日、畑をしまった。 我が家では猫の額ほどの裏庭に、これまた鼠の額ほどの菜園を作って野菜を育てているのだが、天気予報が気温の急落を告げたため、今年の野菜たちを始末することにしたのである。 思えば今年は我が家史上最も収穫量に恵まれた年であった…

雑文(現地改修型)

今日の雑文は省力生産である。沈頭鋲の取り付け箇所にフィラーを盛って削り出し、その上からサフを吹いて塗装していたのが、フィラーも削り出しもサフも省いて、ベコベコのジュラルミン板にそのまま暗緑色を吹き付けるようになった、というあの省力生産であ…

恐怖心の解剖

いつの間にやら今年も盆を過ぎ、怪談のシーズンである。 これは主に、ラテ欄に怪談番組がどのくらい登場するかで予測できる怪談の"旬"の話である。やや意外なことに、盆前・盆真っ盛りの間には怪談番組というのはあまり組まれない。これは盆の一連の行事が祖…

オペレーション・クラークフォビア

服を買いに行ったのである。実に8ヶ月ぶりのことであった。 というのも、私ほど無職が板についていると、気付かぬうちに服がボロボロになるのである。そのプロセスについて、もしかすると無職ではないかもしれない諸兄らのため、分かりやすく解説してみよう。…

ある書店の死(または、記憶)

一昨日、本当にひょんなことから、ある書店の閉店を知ったのである。 そして今日、私はあるホームセンターの駐車場で、買った洗剤を車に積み込みながらそれを思い出したのだ。昼過ぎとはいえ、日はまだ高かった。今日は夕食の準備を急ぐ必要もない。私はまだ…

打鍵する人間愛の天然無能

大変なのである。 何が大変なのかというとこれである。 ai-novel.com 耳の早い諸兄らは既に知っているだろうが、これは極めて高いレベルで日本語を出力する人工知能である。重苦しい私小説やインターネットが無限のフロンティアだった頃の雑文、果ては昭和軽…

『事故物件 恐い間取り』映画評

『事故物件 恐い間取り』(2020年/松竹) 得点…46/100 "事故物件住みます芸人"こと松原タニシ氏のノンフィクション『事故物件怪談 恐い間取り』を原作としたホラー映画である。 ノンフィクションが原作というと、ニューヨーク州はアミティビル、オーシャン・…

怪談にいたる病

この度、しばらくぶりに映画評を書こうと思って映画を数本借りてきたのである。 映画評を書くのは大変だ。その映画を観ていない諸兄らにも伝わるように分かりやすい解説を書き、トホホな部分を針小棒大に論い、いい部分は素直にいいと言う。全体の流れを何度…

本の回虫

困った困った。さて何に困っているかというと金欠である。 良識のある皆々様は私が金欠だと言うと、代わりに社会の構造欠陥や政府の無策を嘆いてくれるだろうが、諸兄らはたった一言「働け」と言ってお終いにしてしまうだろう。知ってるんですからね。 勿論…

打鍵するチンパンジーの人工知能

いつもは書き出しに困ることなどあまりないのである。 それは何故かというと、普段は書き出しが固まってから書き始めるからである。ここ情報量ゼロであるな。 つまるところ私は典型的な「自己ルールに縛られて効率が悪いやつ」なので、本は1ページ目から読み…

SDM

ある休日の昼、どこかから帰ってきた父が、私の顔を見るなり「シングルドアマン面白かったよ」と言った。 私は一瞬のうちにここ2週間ほどの記憶を総ざらいしたが、「シングルドアマン」などという単語に聴き覚えはなかった。何の前提もなしに口に出してきた…

ある中華屋の思い出

私が小学生の頃、近所に中華屋があった。 その中華屋はいかにも町中華、といった趣で、メニューの半分がラーメンとチャーハンなどの飯もの、残りがほぼ定食で構成されており、これといって華のない店だった。メニューはべたつき、テーブルはぐらぐらし、店内…

照明と蜘蛛の糸

電気屋に行ったのである。 エー電気屋、電気屋でござい。電気、電気はいらんかねェ。オイ電気屋、電気1アンペアほどくれ!ヘイ毎度ありィ、旦那今日は景気が良いねェ!おっと手元がお留守だよ、活きの良い電気だからね、こぼしちゃもったいないよ。エー電気1…

誠に遺憾に存じます

私は例によって、また例のスーパーへ買い物に来ていたのである。この度の買い物は生姜と甜麺醤であった。 夕間暮れのスーパーの出入り口には、焼き鳥屋が店を張っていた。今風に言えばキッチンカーとでもなって一気にオシャンティでハイソな存在となり、おつ…

「ただの存在」という恐怖

恐怖とは、突き詰めてしまえば「理由付けを拒絶されること」である。 幽霊を怖がるのも、その存在そのものが我々が信奉する科学の埒外にあるからであり、百歩譲って何かしらの物理的現象が起こっているとして、その物理的現象を引き起こしたはずの力学がそこ…

うどん屋と国際色とBMW

私はうどんを食べていた。 昼下がりから買い物に出て洗車まで済ませると流石に夕食の準備が面倒になって、家からは少し遠いものの、割と好んで訪れるうどん屋に今日も来ていたのである。 ここのうどんは所謂讃岐タイプに代表されるようなマッチョなうどんで…

耳と受話器の話

私は耳がいい。 きょうびこんなことを書くと修羅のインターネッツには自慢だと受け取られ、音楽や楽器関連の趣味や仕事を持つ人間、すなわち日本人のほぼ全てから夜道で刺されそうであるが、この「いい」というのは別に教養があるとか、絶対音感があるとかい…

崩壊

私は缶詰を眺めていたのである。 場所は近所のスーパーマーケット。時刻は夜8時過ぎ。私の手にはオイスターソースが1瓶と、キュウリが3本握られていた。明日の夕食の材料である。 家から少し離れた場所にある資源ゴミの堆積場に古新聞やダンボールなどを出し…

「雑文」への憧憬

かつて、インターネットには「雑文書き」と自称する人々がいた。 それはWebが2.n番台以降の大型アップデートをするよりも以前、インターネットがまだ贅沢品だった時代の話である。人々はこぞって夜11時を心待ちにし、例の児童用鉛筆削りみたいなデザインのア…

怪談への憧憬

昔から怪談が好きだった。 そう書いておきながら意外なようだが、私は生来のビビリである。 小学校を出る頃まで、家に誰もいなければトイレのドアは閉じられなかったし、通っていた学童保育所のトイレが古く、戸板の木目が顔のように見えて気持ち悪く思った…

『大怪獣のあとしまつ』は本当に"クソ映画"か

正直は美徳であるとされている。 別に私だって普段から誰かを欺こうとして生きているわけではない。限りなく嘘に近い話が、立て板に水を掛けるように口を飛び出すだけである。 それは合理的な理由なしには一切の自由が禁じられた、まるでブラック・ドルフィ…

『ポストマン』と冷淡さ

『ポストマン』という映画がある。 映画という娯楽にちゃんと親しんでいる人ならば、「ああ、あれね」と鼻で笑いつつこれを読んでいるかも知れない。何を隠そう、本作は第18回ゴールデンラズベリー賞で最低作品賞を含めた5冠に輝いているからだ。 私は映画と…

2021/09/22 『犬鳴村』映画評

『犬鳴村』(2020年/東映) 得点…45/100 かねてより「もしこれを怖いと思って撮ったんだったら、監督の清水崇は引退したほうがいい」とまで言われているのを目にして気になっていた作品。炎上商法まがいの捨て鉢なプロモーションが(勿論悪い意味で)気懸か…

2021/08/24 映画評3本

更新が滞っていてすみません。作業部屋にはクーラーも扇風機もないので、夏の暑い時期は作業が出来ないのがその理由です。 夏場はコーラでも飲みながら、適当なホラー映画を観るに限りますな。というわけで映画評を3本書いたので載せておきます。ネタバレに…